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    ニューヨーク発「北米のバイオ最新情報」

横浜市の姉妹都市のひとつ、米国カリフォルニア州サンディエゴ市は、世界の最先端を走るバイオクラスターとして世界的に有名です。このレポートでは、サンディエゴを始め、アメリカ及びカナダのバイオ事情について、横浜市ニューヨーク事務所が、現地の専門家に依頼してとりまとめた最新の情報をお送りします。
横浜市ニューヨーク事務所 所長 早川恵庸

◆◆◆ 2005年7月19日 ◆◆◆
サンディエゴでのペプチド医薬開発

 いまアメリカでは委託によるペプチド生産事業が好調であり、場合によっては来年まで注文を受け付けていないところもあるとのことである。特に医薬のためのGMPペプチド生産は、その物が果たして最終製品になるかどうか分からなくても、注文が殺到しているという。
 即ち、フェーズ泓ユ床試験中にあるペプチドが新薬として市場に出るのは、恐らく10から20%程度のチャンスしかないし、仮にそれがフェーズ。段階に入ろうとするかなり有望なペプチド医薬であっても、市場に出すことが出来るのは60 - 80%程度であるといわれている。若しもこの段階に入ってから、製品が市場に出られないとすれば、それまでにかけた経費、時間、労力は莫大なもので、製薬企業が自ら試験用のペプチドを生産するとすれば、大規模な生産設備を無駄にしてしまうことになる。ペプチド市場は成長する可能性が非常に高いといわれているものの、どのくらい製品が市場に出せるのか、どの程度の生産設備が必要となのか、などが製薬企業にとって大きな問題なのである。
 そのためこれらを委託により生産する企業が増加しており、現在多くの委託生産業者は需要を満たすべくパイロットスケールや小規模な合成生産のための製造設備を拡張している。

 このようにペプチド医薬に対する期待が強まっているが、サンディエゴにもペプチド医薬を開発している次の二社が話題となっている。

NeoMPS社:
 その一つサンディエゴにあるNeoMPS社では、ペプチドの大規模生産を目的とした固相合成法に力を入れている。10年程前は生産量が5キロを超えるような大規模生産の場合には、ペプチド生産は固相合成法から液相合成法に切り替えられたものであったが、現在ではスケールアップコスト並びに大規模な固相合成法コストが減少したため、固相合成法と液相合成法のコストに大きな差が見られなくなったからである。
 1999年にアメリカのMultiple Peptide Systems社は、フランスのストラスバーグにあるNeosystem社の一部となったが、両社が共通のNeoMPS社の名前を採りいれたのは最近のこと。これに伴い過去数年の間に、NeoMPS社の事業はバイオテク会社から大製薬会社にシフトしてきており、特に医療用ペプチド・プロジェクトを推進、既にその幾つかは種々の臨床開発段階へと移りつつある。
 同社が見るところ、ペプチド産業は未だ完全に成熟しておらず、今後新しくペプチド医薬の承認を受け、市場進出を果たす可能性のある候補化合物も多々あり、まだ成長段階にあるとのことである。

Amylin Pharmaceuticals社:
 同じくサンディエゴにあるAmylin Pharmaceuticals社は、今年はじめEli Lilly社(Indianapolis)と共に、注射用のByetta TM(exenatide)がFDAにより承認されたと発表した。これは医薬metformin やsulfonylurea を使ってもコントロールできない2型糖尿病患者の血糖量改善を目的とした付加的治療薬である。
 Exenatideは、incretinを模倣した新しいクラスの薬として初めて承認された化合物であるが、このような化合物はインシュリンの分泌を促進し、増加した体の血糖量レベルを低下させる効果がある。Amylin Pharmaceuticals社によって製剤化されたByettaは、一定の投与量を朝食と夕食の前に自分で皮下注射するようになっている。
 FDAはまたAmylin Pharmaceuticals社の薬剤、Symlinを承認している。これは糖尿病治療を目的とした、注射可能なpramlintideとインシュリンとを組み合わせて用いるヒトamylinの合成アナログである。なお、amylinというのは、食欲や食物摂取の調節を助けるホルモンである。
 ごく最近Amylin Pharmaceuticals社では、肥満治療用を目的としたpramlintideの16週間にわたるフェーズ臨床試験結果を発表した。その結果、プラシーボと比べpramlintideに著しい体重減少効果のあることが示されたという。

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