|
|
◆◆◆ 2006年1月23日 ◆◆◆ |
Diversa社がリストラ |
バイオテクノロジー関連企業としてよく名の知られているサンディエゴのDiversa Corporationは今年はじめ、利益を生む可能性が少ない割には経費がかかり過ぎるとして、85人の人員削減と新薬発見プログラムなどの中止を発表した。今後は2008年までに利益を上げることを目標に、代替エネルギー、特殊な産業プロセス、健康と栄養などに関連した3分野の研究開発に重点を置くことになった。今まで多方面の分野に手を出して来た同社は、商品化にほど遠い研究開発プログラムを整理するためである、と述べている。
この会社は、商業的に有用な酵素やたんぱく質を生産する目的で、通常の場所では見出すことの出来ない微生物を北極その他の場所から探し出し、そのユニークな遺伝子を獲得する目的で、研究者たちを世界中に派遣していた。この考えは非常に魅力的ではあるが未だ利益を生む当てもなく、コストがかかり過ぎて会社の経営が思わしくないことから株価が下落している。
今回のリストラで、同社が重点を置くプロジェクトの一つは、エタノール生産、パルプ用漂白や石油精製などを目的とし、これらのプロセスに利用ができる酵素に関するもので、今まで力を入れてきた新薬発見プログラムやそれに関連した技術を売却したり、ライセンス・アウトすることになる。
例えば、Diversa社が開発した家畜用飼料に添加される酵素「PhyzyneXP」など農畜産業に関連した製品などは、開発の時間と経費が莫大に必要な医薬品よりも、遥かに速やかに市場に出すことができる。PhyzyneXPは、政府申請から許可獲得に至るまで僅か8ヶ月で、市場に出すことが可能であった。
今回の人員削減によって、操業経費は年間1,000万ドルも減らすことが出来、設備のリースで利益を生むことも出来る。
重点を置く代替エネルギー関連市場は今後大きく発展すると予想されており、同社ではすでに酵素「Ultra-Thin」を販売している。この酵素は、コーンスターチを糖に転換する働きを持ち、エタノール生産に役立つことが出来る。
Diversa Corporationは、遺伝子や遺伝子経路を解明することで、新物質を迅速に発見し、その生産を最適化する目的で同社独自の技術を応用するという、バイオの世界でも名の通った会社の一つである。特に、モノクローン抗体や経口投与可能な医薬品;農業、化学工業で応用できる酵素や関連した低分子物質の発見、開発、製造を目的としている。
同社の技術は、自然界と研究室との結合を謳っており、財産として極めて多種類の遺伝子源を保有している。同社の特許となっているDNA抽出法とスクリーニング技術を利用することによって、地球に存在する微生物のうちの99%以上に及ぶ未だ培養されたことの無い微生物から、培養することなくこれらの遺伝子を解明できることを誇っている。
この会社は、The Dow Chemical Company、DuPont Bio-Based Materials、GlaxoSmithKline
plc、 Invitrogen Corporation、Syngenta AG、BASF、Bayer Animal
Health、DSM Pharma Chemicals、Givaudan Flavors Corporation
など多くの大企業と提携している。
2002年には4,150億ドルという巨大な世界市場を持つ医薬分野に、その技術を生かそうとしたDiversa社としては大きな決断であるといえよう。
世界における遺伝子組換え作物植付け面積の伸びは、現在やや落ちてはいるものの、依然として増え続けている。
International Service for Acquisition of Agri-biotech Applications(ISAAA)の発表によれば、昨年組換え綿花、大豆、その他の作物は、世界21の国で合計2億2,200万エーカー、即ち9,000万ヘクタール植え付けられたという。これらの中では、アメリカにおける害虫抵抗性や除草剤耐性品種などの利用がその多くを占めている。しかし中国、インド、ブラジル、南アフリカその他の国においても、遺伝子組換え技術から得られる利益が徐々に認められており、作付面積が増大している。ポルトガル、フランス、イラン、チェコなどの国々でも、2005年の増大が報告されている。開発途上国では組換え作物を栽培することで、770万人の農家の収入が増加したともいわれる。
しかしながら依然として組換え作物に反対するグループの動きも活発で、それが原因してか、2003年には15%、2004年には20%と組換え作物植付け面積の増加が見られたのに対し、2005年にはその伸びは11%
に留まった。農家、食品企業、消費者たちがこの技術のコストと利益とを評価し続けているから、とも考えられる。
反対グループのひとつ、「Friends of the Earth」ではヨーロッパの165の地域でGM-freeを宣言、その中には5年間組換え作物を禁止したスイスでの例もある、と述べている。このグループは、Monsanto社のような大企業がより以上に人々や環境を優先したプログラムに力を入れるよう働きかけているとのことである。環境保護団体のグリーンピースも組換え作物に反対するグループの一つだが、1996年に始めて組換え除草剤耐性品種が実用化されたことによって、アメリカでは有毒な除草剤の利用が1億2,200万ポンドも増加し、これにより野性動植物に莫大な被害を与えた、と訴えている。
| International Service for Acquisition of Agri-biotech Applications (ISAAA) |
|
|
戻る
|